大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)657 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人森井喜代松、同筒井清五郎の上告理由第一点について。

原判決の確定したところによれば、被上告人は、昭和二六年一月二五日到達の書

面をもつて、昭和二五年一月(但し同月分は残金)以降同年一二月分までの延滞賃

料として合計二〇、三七七円を同書面到達の日から三日内に支払うことを催告した

が、右催告に係る賃料額は、これを統制額に引き直して計算すれば一四、三九一円

となるので、結局この正当額を五、九八五円位を超過するものであつたというので

ある。

しかして、催告額が正当額を超過する場合であつても、債権者において催告額全

部の提供がなければ受領しない意思が明確でない限り、催告全部が無効となるので

はなく、正当額の限度において催告は有効と解すべきであり、前示のように催告額

が正当額を超過しているからといつて、その一事をもつて債権者において、催告額

に満たない金額の提供があつても、これを受領する意思がないものとは推認するを

得ないし、また必らずしも、所論証拠から、債権者たる被上告人に右の意思がない

ものと推認しなければならない筋合のものでもない。そして、原審の認定した本件

事実関係からすれば、前示のように催告期日を三日と定めた本件催告をもつて信義

則に反する無効のものともいい難い。

従つて、右と同趣旨の原審の判断は正当であり、所論は、原審認定に反する事実

を前提とするか、または、独自の見解により、原判決を非難するものであつて、採

用するを得ない。

同第二点について。

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所論は、原審の認定しない事実を挙げ、これを前提として、原判決を論議するも

のであつて、採用するに由ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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